動的計画法(DP)は、最適化問題の解決に非常に効果的な手法です。この教材では、ナップサック問題と最長共通部分列(LCS)問題に焦点を当て、具体的な解法をサンプルコードと共に解説します。
ナップサック問題は、限られた容量のナップサックに対して、最大の価値を持つアイテムの組み合わせを見つける問題です。具体的には、各アイテムには重量と価値があり、ナップサックには最大容量があります。目標は、ナップサックに入れられるアイテムの価値の合計を最大化することです。
以下に、ナップサック問題のDP解法のサンプルコードを示します。
def knapsack(weights, values, capacity):
n = len(values)
dp = [[0 for _ in range(capacity + 1)] for _ in range(n + 1)]
for i in range(1, n + 1):
for w in range(capacity + 1):
if weights[i - 1] <= w:
dp[i][w] = max(dp[i - 1][w], dp[i - 1][w - weights[i - 1]] + values[i - 1])
else:
dp[i][w] = dp[i - 1][w]
return dp[n][capacity]
# サンプルデータ
weights = [1, 2, 3]
values = [10, 15, 40]
capacity = 6
print("最大価値:", knapsack(weights, values, capacity))
knapsack
関数は、重量、価値、ナップサックの容量を引数に取ります。dp
は二次元リストで、行はアイテム数、列は各容量を表します。最長共通部分列問題は、2つのシーケンスの中で、順序を保ちながら共通する部分列の中で最も長いものを見つける問題です。
以下に、最長共通部分列のDP解法のサンプルコードを示します。
def lcs(X, Y):
m = len(X)
n = len(Y)
dp = [[0 for _ in range(n + 1)] for _ in range(m + 1)]
for i in range(1, m + 1):
for j in range(1, n + 1):
if X[i - 1] == Y[j - 1]:
dp[i][j] = dp[i - 1][j - 1] + 1
else:
dp[i][j] = max(dp[i - 1][j], dp[i][j - 1])
return dp[m][n]
# サンプルデータ
X = "AGGTAB"
Y = "GXTXAYB"
print("最長共通部分列の長さ:", lcs(X, Y))
lcs
関数は、2つの文字列を引数に取ります。dp
は二次元リストで、行は第一のシーケンスの長さ、列は第二のシーケンスの長さを表します。このように、ナップサック問題と最長共通部分列問題は、動的計画法を用いることで効率的に解決することができます。これらの問題を解くことで、DPの考え方を理解し、他の問題にも応用できるようになります。