プログラムの実行中に予期しないエラーが発生することはよくあります。これらのエラーを適切に処理するために、Pythonでは「例外処理」という仕組みが用意されています。例外処理を使用することで、プログラムがエラーで停止することを防ぎ、スムーズにエラーを処理することが可能になります。
例外とは、プログラムの実行中に発生する異常な状態のことです。例えば、以下のような状況で例外が発生します。
これらの状況が発生すると、プログラムは通常の流れを中断し、エラーメッセージが表示されます。このとき、例外処理を使うことで、エラーを捕捉し、適切な対処を行うことができます。
Pythonでは、try
とexcept
を使って例外処理を行います。try
ブロック内には通常の処理を記述し、except
ブロック内にはエラーが発生したときの処理を記述します。
以下に基本的な構造のサンプルコードを示します。
try:
# ここに通常の処理を記述
result = 10 / 0 # 0で割り算を試みる
except ZeroDivisionError:
# エラーが発生した場合の処理
print("エラー: 0で割り算を行うことはできません。")
result = 10 / 0
の行で、0で割り算を行おうとしています。この行でZeroDivisionError
が発生します。except ZeroDivisionError
の部分が実行され、「エラー: 0で割り算を行うことはできません。」というメッセージが表示されます。このように、例外処理を使用することで、プログラムがエラーで停止せず、代わりにエラーメッセージを表示することができます。
例外処理は、プログラムの安定性を高めるための重要な技法です。これを使うことで、エラーが発生してもプログラムを継続的に実行し、エラーメッセージを適切に表示することができます。次のセクションでは、try
とexcept
文の基本構造についてさらに詳しく見ていきます。