Pythonでは、コードの可読性を高め、他の開発者とスムーズに協力するために、命名規則が重要です。命名規則に従うことで、コードが何を意図しているのかを明確にし、メンテナンスしやすくなります。この教材では、Pythonの命名規則について具体的な例を交えながら解説します。
Pythonでは、変数名や関数名にはスネークケース(単語をアンダースコアで区切る形式)が推奨されています。
# 良い例
user_age = 25
total_price = 100.50
# 悪い例
UserAge = 25
totalPrice = 100.50
定数は、通常すべて大文字で表記し、単語をアンダースコアで区切ります。
# 定数の例
MAX_CONNECTIONS = 100
API_KEY = "your_api_key_here"
クラス名は、各単語の先頭を大文字にするキャメルケースを使用します。
class UserProfile:
pass
class ShoppingCart:
pass
関数名もスネークケースを使用し、動詞から始めることが望ましいです。これにより、関数が何をするのかが明確になります。
def calculate_total(price, tax):
return price + tax
def get_user_info(user_id):
# ユーザー情報を取得する処理
pass
以下に、命名規則を遵守したサンプルコードを示します。このコードは、簡単なショッピングカートの機能を持つクラスを定義しています。
class ShoppingCart:
def __init__(self):
self.items = []
def add_item(self, item_name, item_price):
item = {
'name': item_name,
'price': item_price
}
self.items.append(item)
def calculate_total(self):
total = 0
for item in self.items:
total += item['price']
return total
def display_items(self):
for item in self.items:
print(f"Item: {item['name']}, Price: {item['price']}")
# 使用例
cart = ShoppingCart()
cart.add_item('Apple', 0.5)
cart.add_item('Banana', 0.3)
cart.display_items()
print(f"Total Price: {cart.calculate_total()}")
クラス定義: ShoppingCart
というクラスを定義しています。クラス名はキャメルケースで、内容を表す名前が付けられています。
初期化メソッド: __init__
メソッドで、items
というリストを初期化しています。このリストには、カートに追加されたアイテムを格納します。
メソッド:
add_item
: アイテムの名前と価格を受け取り、辞書形式でitems
リストに追加します。calculate_total
: カート内のアイテムの合計価格を計算します。display_items
: カート内のすべてのアイテムを表示します。使用例: ShoppingCart
クラスのインスタンスを作成し、アイテムを追加し、表示と合計価格の計算を行っています。
このように、命名規則を適切に使用することで、コードの可読性が向上し、他の開発者にとっても理解しやすいコードになります。