<一覧に戻る

Python標準ライブラリの活用

Python標準ライブラリは、さまざまな機能を提供する強力なツールです。これを活用することで、コードの効率性や可読性を向上させることができます。本教材では、Python標準ライブラリのいくつかの重要なモジュールを実際に使用しながら、その活用方法を学びます。

1. datetimeモジュール

日付や時間を扱う際に非常に便利なdatetimeモジュールを使って、現在の日付と時刻を取得し、フォーマットを変更する方法を見ていきましょう。

サンプルコード

import datetime

# 現在の日付と時刻を取得
now = datetime.datetime.now()

# フォーマットを変更して表示
formatted_now = now.strftime("%Y-%m-%d %H:%M:%S")
print("現在の日付と時刻:", formatted_now)

# 1週間後の日付を計算
one_week_later = now + datetime.timedelta(weeks=1)
formatted_one_week_later = one_week_later.strftime("%Y-%m-%d %H:%M:%S")
print("1週間後の日付と時刻:", formatted_one_week_later)

解説

  • import datetimedatetimeモジュールをインポートします。
  • datetime.datetime.now()を使って、現在の日付と時刻を取得します。
  • strftimeメソッドを使って、日付のフォーマットを変更しています。"%Y-%m-%d %H:%M:%S"は「年-月-日 時:分:秒」の形式を指定しています。
  • timedeltaを使って、現在の日付に1週間を加算し、将来の日付を計算しています。

2. randomモジュール

ランダムな数値や選択を生成するためのrandomモジュールを使って、サンプルデータを生成する方法を見ていきましょう。

サンプルコード

import random

# 1から10の範囲でランダムな整数を生成
random_integer = random.randint(1, 10)
print("ランダムな整数:", random_integer)

# リストからランダムに要素を選択
choices = ['apple', 'banana', 'cherry', 'date']
random_choice = random.choice(choices)
print("ランダムに選ばれた果物:", random_choice)

# ランダムなサンプルを生成
random_sample = random.sample(choices, 2)
print("ランダムに選ばれた果物のサンプル:", random_sample)

解説

  • import randomrandomモジュールをインポートします。
  • randint(1, 10)を使って、1から10の範囲内のランダムな整数を生成します。
  • choiceメソッドを使用して、指定したリストからランダムに要素を選択します。
  • sampleメソッドを使って、リストから指定した数だけランダムな要素を選びます。

3. osモジュール

ファイルやディレクトリの操作を行うためのosモジュールを使用して、現在の作業ディレクトリを取得し、ファイルの一覧を表示する方法を見ていきます。

サンプルコード

import os

# 現在の作業ディレクトリを取得
current_directory = os.getcwd()
print("現在の作業ディレクトリ:", current_directory)

# ディレクトリ内のファイル一覧を表示
files = os.listdir(current_directory)
print("ディレクトリ内のファイル一覧:")
for file in files:
    print(file)

解説

  • import ososモジュールをインポートします。
  • getcwd()メソッドを使って、現在の作業ディレクトリを取得します。
  • listdir()メソッドを使用して、指定したディレクトリ内のファイルとサブディレクトリの一覧を取得し、表示しています。

4. jsonモジュール

JSON形式のデータを扱うためのjsonモジュールを使って、データをJSON形式で保存し、読み込む方法を見ていきましょう。

サンプルコード

import json

# 保存するデータ
data = {
    "name": "Alice",
    "age": 30,
    "city": "Tokyo"
}

# データをJSON形式でファイルに保存
with open('data.json', 'w') as json_file:
    json.dump(data, json_file)

print("データをdata.jsonに保存しました。")

# JSON形式のデータを読み込む
with open('data.json', 'r') as json_file:
    loaded_data = json.load(json_file)
    print("読み込んだデータ:", loaded_data)

解説

  • import jsonjsonモジュールをインポートします。
  • 辞書形式のデータを作成し、json.dump()を使用してファイルに保存します。
  • with open()構文を使用してファイルを開き、JSON形式で保存します。
  • 保存したファイルを再度開き、json.load()を使用してデータを読み込み、表示しています。

これらの例を通じて、Python標準ライブラリが提供する便利な機能を学びました。これらのツールを活用することで、より効率的で可読性の高いコードを書くことができるようになります。次のステップとして、実際のプロジェクトにこれらのモジュールを取り入れてみてください。

出力結果: