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tracemallocモジュールの詳細な使用方法

tracemallocモジュールは、Pythonのメモリ使用量を追跡し、メモリリークを検出するための強力なツールです。このモジュールを使用することで、どの部分のコードがどれだけのメモリを消費しているかを調査し、効率的にメモリを管理することができます。

tracemallocの基本的な使い方

まず、tracemallocモジュールを使用するためには、モジュールをインポートし、メモリのトレースを開始する必要があります。以下のコードでは、簡単なメモリ使用の追跡の例を示します。

import tracemalloc

# トレースの開始
tracemalloc.start()

# メモリを使用するためのサンプルコード
def create_list():
    return [i for i in range(10000)]

# リストを作成
my_list = create_list()

# メモリのスナップショットを取得
snapshot = tracemalloc.take_snapshot()

# トレースを停止
tracemalloc.stop()

# メモリ使用状況を表示
top_stats = snapshot.statistics('lineno')

print("[Top 10 memory usage]")
for stat in top_stats[:10]:
    print(stat)

コードの解説

  1. モジュールのインポート: tracemallocモジュールをインポートします。
  2. トレースの開始: tracemalloc.start()でメモリのトレースを開始します。
  3. メモリを使用するコード: create_list()関数を使って、リストを作成します。このリストは10,000個の整数を含んでいます。
  4. スナップショットの取得: tracemalloc.take_snapshot()を使って、現在のメモリ使用状況のスナップショットを取得します。
  5. トレースの停止: tracemalloc.stop()でメモリトレースを停止します。
  6. メモリ使用状況の表示: スナップショットからメモリ使用量を集計し、最もメモリを使用している上位10の行を表示します。

スナップショットの詳細な分析

次に、取得したスナップショットをより詳細に分析する方法を見てみましょう。

import tracemalloc

tracemalloc.start()

def allocate_memory():
    return [i for i in range(5000)]

# メモリを消費する関数を複数回呼び出す
for _ in range(3):
    allocate_memory()

snapshot = tracemalloc.take_snapshot()
tracemalloc.stop()

# メモリ使用状況を詳しく分析
top_stats = snapshot.statistics('lineno')

print("[Detailed memory usage]")
for stat in top_stats[:10]:
    print(stat)

コードの解説

  • メモリを消費する関数の呼び出し: allocate_memory()関数を3回呼び出して、メモリを消費します。
  • スナップショットの取得と分析: スナップショットを取得後、メモリ使用状況を詳細に表示します。各行のメモリ使用量や、どの行がメモリを消費しているかを確認できます。

メモリトレースを利用したデバッグ

tracemallocは、メモリリークやメモリ使用の問題をデバッグするためにも利用できます。以下は、メモリリークを検出するための例です。

import tracemalloc

tracemalloc.start()

class Leak:
    def __init__(self):
        self.data = [i for i in range(10000)]

def create_leak():
    leak = Leak()

# メモリリークを引き起こす関数を複数回呼び出す
for _ in range(5):
    create_leak()

snapshot = tracemalloc.take_snapshot()
tracemalloc.stop()

top_stats = snapshot.statistics('lineno')

print("[Memory leak detection]")
for stat in top_stats[:10]:
    print(stat)

コードの解説

  • メモリリークを引き起こすクラス: Leakクラスを定義し、初期化時に大きなリストを作成します。
  • リークを作成する関数: create_leak()関数を使って、Leakオブジェクトを生成します。
  • メモリリークの検出: スナップショットを取得して、上位のメモリ消費を表示します。この例では、create_leak()関数が呼び出されるたびにメモリを消費し続けるため、メモリリークが発生します。

まとめ

tracemallocモジュールは、Pythonプログラムのメモリ使用状況を詳細に追跡し、メモリリークを検出するための強力なツールです。スナップショットを使用してメモリの使用状況を分析することで、どの部分のコードがメモリを消費しているのかを特定できます。これにより、効率的なメモリ管理を行い、プログラムのパフォーマンスを向上させることが可能です。

出力結果: