Pythonのバージョンを変更する方法をわかりやすく解説!【pyenvやAnacondaなど】

公開日: 2025-10-28

Pythonを使っていると、突然「バージョンを変えたい!」という瞬間がやってきます。

例えば、新しいフレームワークを試したいとき、既存のコードが古いPythonでしか動かないとき、あるいはチームメンバーが別のバージョンを使っているときなど。

私はエンジニア歴10年になりますが、過去にPythonのバージョン切り替えで何度も苦労してきました 特に、最初のうちは「どこで設定してるの?」「バージョンが変わらない!」といったトラブルに何度も遭遇しました。

そこで今回は、初心者でもわかるように、Pythonのバージョン変更方法をステップごとにやさしく解説します。
Windows・Mac・Linuxそれぞれの環境に対応し、実際のコマンド例やトラブル解決法も紹介します。

なぜPythonのバージョンを変える必要があるのか?

Pythonのバージョン変更というのは、単に「数字を変えるだけ」ではありません。 開発環境を整える上で非常に重要な作業です。

たとえば、Python 3.6では動いていたコードが、Python 3.11では動かないケースもあります。 また、DjangoやFastAPI、Pandasなどのライブラリが「特定のPythonバージョン以降でしか動作しない」こともよくあります。

私が実際に遭遇した例では、社内の分析用ツールがPython 3.7で動いていたのに、新しいMacを購入してPython 3.11を入れた途端、動かなくなったというトラブルがありました。 原因はライブラリの互換性。結局、古いバージョンを別途インストールして切り替えることで解決しました。

Pythonのバージョンを確認する基本コマンド

まずは、現在のPythonバージョンを確認してみましょう。 これを知らないと、どの環境を操作しているのか分からなくなってしまいます。

python --version
# または
python3 --version

実行すると、次のように表示されます。

Python 3.11.7

この数字が、今あなたの環境で動いているPythonのバージョンです。 ここを自由に切り替えられるようになると、開発が格段にスムーズになります。

Pythonのバージョン変更方法は3つある

Pythonのバージョンを変える方法はいくつかありますが、代表的なのは次の3つです。

方法 特徴 対応OS
1. pyenvを使う 最も柔軟。複数バージョンを簡単に切り替えられる macOS / Linux / Windows (WSL推奨)
2. Anacondaを使う データ分析向け。仮想環境とバージョン管理がセット macOS / Windows / Linux
3. システムPythonを手動で変更 手軽だが、環境を壊すリスクあり 全OS

ここから、それぞれの方法をわかりやすく紹介していきます。

方法①:pyenvでPythonのバージョンを変更する

私が最もおすすめするのが、pyenvを使う方法です。 pyenvとは複数のPythonバージョンをインストールして、簡単に切り替えることができる便利ツールです。

エンジニア仲間の多くもpyenvを使っており、特にMacやLinuxでは事実上の定番になっています。

pyenvのインストール方法(macOSの場合)

Macの場合、以下のコマンドでpyenvをインストールすることができます。

brew update
brew install pyenv

これでpyenvコマンドが使えるようになります。

Pythonをインストールする

インストールできるPythonの一覧を見てみましょう。

pyenv install --list

ずらっと出てきますが、たとえばPython 3.9.13を入れたい場合は次のようにします。

pyenv install 3.9.13

インストールが終わったら、どのバージョンを使うか指定します。

pyenv global 3.9.13

これで、Pythonのバージョンが切り替わります。

特定のディレクトリでのみバージョンを変更したい場合は、以下のコマンドを実行します。

pyenv local 3.9.13

一度、ターミナルを再起動して確認してみましょう。

python --version
# => Python 3.9.13

ちゃんと変わっていれば成功です。

方法②:AnacondaでPythonバージョンを切り替える

データ分析や機械学習をやっている人に人気なのがAnaconda(アナコンダ)です。 AnacondaはPython本体に加え、Jupyter NotebookやNumPy、Pandasなどの主要ライブラリが最初から入っている便利な環境です。

Anacondaでは「仮想環境(environment)」を作ることで、Pythonのバージョンを簡単に切り替えられます。

新しい環境を作ってPythonバージョンを指定する

以下のコマンドでは、新しい環境を作ってPythonバージョンを指定することができます。

conda create -n py39 python=3.9

この例では「py39」という名前の環境にPython 3.9をインストールしています。

環境を有効化するには以下のコマンドです。

conda activate py39

この状態でpython --versionを実行すると、Python 3.9が使われているはずです。

もし別の環境に戻したい場合は次のようにします。

conda deactivate

Anacondaの強みは、プロジェクトごとに環境を分けられること。 ライブラリの依存関係で悩むことが減り、安心してバージョンを切り替えられます。

方法③:システムのPythonを直接変更する(非推奨)

手っ取り早く変えたい場合、システムにインストールされているPythonを直接入れ替える方法もあります。 ただし、これは環境を壊すリスクがあるため、私はあまりおすすめしません。

例えばWindowsでは、公式サイト(https://www.python.org/downloads/)からインストーラをダウンロードして実行すればOKです。

インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。 これを忘れると、コマンドプロンプトでpythonが使えなくなります。

macOSやLinuxでは、システムのPythonはOS自体が依存していることがあるため、無理に置き換えるとトラブルの元になります。 そのため、pyenvやAnacondaを使う方法が安全です。

仮想環境でバージョンを切り替える

もうひとつ知っておきたいのが「仮想環境」です。
これは、プロジェクトごとにPythonとライブラリのバージョンを分けて管理できる仕組みです。

venvを使う例

Python 3.3以降には標準でvenvという仮想環境ツールが付いています。

python -m venv venv
source venv/bin/activate  # Mac / Linux
venv\Scripts\activate     # Windows

これで仮想環境が有効になります。 ここでpython --versionを実行すると、仮想環境内のPythonバージョンが反映されます。

もし異なるバージョンを使いたい場合は、pyenvなどであらかじめそのPythonをインストールしておき、venv作成時に明示的に指定します。

pyenv local 3.8.10
python -m venv venv38

こうすることで、プロジェクトごとに異なるPythonを使い分けることができます。

よくあるトラブルと対処法

バージョン切り替えをしていると、いくつかのトラブルに遭遇します。 私も過去に何度も悩まされました。

トラブル内容 原因 対処法
pythonコマンドが変わらない PATHが古いPythonを参照している which pythonで確認し、PATHを修正
モジュールが見つからない 仮想環境にインストールされていない 仮想環境をアクティブ化してpip install
pyenvでバージョンが変わらない シェルが初期化されていない exec "$SHELL" で再読み込み
conda環境が消えた PATHがリセットされている Anacondaの再インストールまたは再登録

トラブルの多くは、PATH(環境変数)の設定や仮想環境の切り替え忘れに起因します。
慣れてきたら、「今どのPythonを使っているか?」を常に意識すると良いです。

まとめ:バージョン変更をマスターするとPythonがもっと楽しくなる

Pythonのバージョンを自在に切り替えられるようになると、開発の自由度が一気に上がります。 古いプロジェクトにも対応できるし、新しい機能を試すのも怖くなくなります。

最初は「ややこしそう…」と感じるかもしれませんが、実際に手を動かしてみると「あれ?こんな簡単だったのか」と思うはずです。

もう一度ポイントを整理すると、

  • pyenvが最も柔軟でおすすめ
  • Anacondaはデータ分析向けに便利
  • システムのPythonを直接変えるのは慎重に
  • 仮想環境での運用を習慣化する

Pythonは進化のスピードが速い言語です。 バージョン管理を味方につければ、あなたの開発環境はもっと快適になります。

この記事が、あなたのPythonの開発が少しでも快適にするきっかけになれば嬉しいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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