Pythonのバージョンを変更する方法をわかりやすく解説!【pyenvやAnacondaなど】
Pythonをブラウザで実行しながら実践的に学ぶ
Pythonの基礎からソフトウェアアーキテクチャ,アルゴリズムなどの応用的な内容まで幅広く学べます。
ブラウザ上で直接Pythonコードを試すことができ、実践的なスキルを身につけることが可能です。
Pythonを使っていると、突然「バージョンを変えたい!」という瞬間がやってきます。
例えば、新しいフレームワークを試したいとき、既存のコードが古いPythonでしか動かないとき、あるいはチームメンバーが別のバージョンを使っているときなど。
私はエンジニア歴10年になりますが、過去にPythonのバージョン切り替えで何度も苦労してきました 特に、最初のうちは「どこで設定してるの?」「バージョンが変わらない!」といったトラブルに何度も遭遇しました。
そこで今回は、初心者でもわかるように、Pythonのバージョン変更方法をステップごとにやさしく解説します。
Windows・Mac・Linuxそれぞれの環境に対応し、実際のコマンド例やトラブル解決法も紹介します。
なぜPythonのバージョンを変える必要があるのか?¶
Pythonのバージョン変更というのは、単に「数字を変えるだけ」ではありません。 開発環境を整える上で非常に重要な作業です。
たとえば、Python 3.6では動いていたコードが、Python 3.11では動かないケースもあります。 また、DjangoやFastAPI、Pandasなどのライブラリが「特定のPythonバージョン以降でしか動作しない」こともよくあります。
私が実際に遭遇した例では、社内の分析用ツールがPython 3.7で動いていたのに、新しいMacを購入してPython 3.11を入れた途端、動かなくなったというトラブルがありました。 原因はライブラリの互換性。結局、古いバージョンを別途インストールして切り替えることで解決しました。
Pythonのバージョンを確認する基本コマンド¶
まずは、現在のPythonバージョンを確認してみましょう。 これを知らないと、どの環境を操作しているのか分からなくなってしまいます。
python --version
# または
python3 --version
実行すると、次のように表示されます。
Python 3.11.7
この数字が、今あなたの環境で動いているPythonのバージョンです。 ここを自由に切り替えられるようになると、開発が格段にスムーズになります。
Pythonのバージョン変更方法は3つある¶
Pythonのバージョンを変える方法はいくつかありますが、代表的なのは次の3つです。
| 方法 | 特徴 | 対応OS |
|---|---|---|
| 1. pyenvを使う | 最も柔軟。複数バージョンを簡単に切り替えられる | macOS / Linux / Windows (WSL推奨) |
| 2. Anacondaを使う | データ分析向け。仮想環境とバージョン管理がセット | macOS / Windows / Linux |
| 3. システムPythonを手動で変更 | 手軽だが、環境を壊すリスクあり | 全OS |
ここから、それぞれの方法をわかりやすく紹介していきます。
方法①:pyenvでPythonのバージョンを変更する¶
私が最もおすすめするのが、pyenvを使う方法です。 pyenvとは複数のPythonバージョンをインストールして、簡単に切り替えることができる便利ツールです。
エンジニア仲間の多くもpyenvを使っており、特にMacやLinuxでは事実上の定番になっています。
pyenvのインストール方法(macOSの場合)¶
Macの場合、以下のコマンドでpyenvをインストールすることができます。
brew update
brew install pyenv
これでpyenvコマンドが使えるようになります。
Pythonをインストールする¶
インストールできるPythonの一覧を見てみましょう。
pyenv install --list
ずらっと出てきますが、たとえばPython 3.9.13を入れたい場合は次のようにします。
pyenv install 3.9.13
インストールが終わったら、どのバージョンを使うか指定します。
pyenv global 3.9.13
これで、Pythonのバージョンが切り替わります。
特定のディレクトリでのみバージョンを変更したい場合は、以下のコマンドを実行します。
pyenv local 3.9.13
一度、ターミナルを再起動して確認してみましょう。
python --version
# => Python 3.9.13
ちゃんと変わっていれば成功です。
方法②:AnacondaでPythonバージョンを切り替える¶
データ分析や機械学習をやっている人に人気なのがAnaconda(アナコンダ)です。 AnacondaはPython本体に加え、Jupyter NotebookやNumPy、Pandasなどの主要ライブラリが最初から入っている便利な環境です。
Anacondaでは「仮想環境(environment)」を作ることで、Pythonのバージョンを簡単に切り替えられます。
新しい環境を作ってPythonバージョンを指定する¶
以下のコマンドでは、新しい環境を作ってPythonバージョンを指定することができます。
conda create -n py39 python=3.9
この例では「py39」という名前の環境にPython 3.9をインストールしています。
環境を有効化するには以下のコマンドです。
conda activate py39
この状態でpython --versionを実行すると、Python 3.9が使われているはずです。
もし別の環境に戻したい場合は次のようにします。
conda deactivate
Anacondaの強みは、プロジェクトごとに環境を分けられること。 ライブラリの依存関係で悩むことが減り、安心してバージョンを切り替えられます。
方法③:システムのPythonを直接変更する(非推奨)¶
手っ取り早く変えたい場合、システムにインストールされているPythonを直接入れ替える方法もあります。 ただし、これは環境を壊すリスクがあるため、私はあまりおすすめしません。
例えばWindowsでは、公式サイト(https://www.python.org/downloads/)からインストーラをダウンロードして実行すればOKです。
インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。
これを忘れると、コマンドプロンプトでpythonが使えなくなります。
macOSやLinuxでは、システムのPythonはOS自体が依存していることがあるため、無理に置き換えるとトラブルの元になります。 そのため、pyenvやAnacondaを使う方法が安全です。
仮想環境でバージョンを切り替える¶
もうひとつ知っておきたいのが「仮想環境」です。
これは、プロジェクトごとにPythonとライブラリのバージョンを分けて管理できる仕組みです。
venvを使う例¶
Python 3.3以降には標準でvenvという仮想環境ツールが付いています。
python -m venv venv
source venv/bin/activate # Mac / Linux
venv\Scripts\activate # Windows
これで仮想環境が有効になります。
ここでpython --versionを実行すると、仮想環境内のPythonバージョンが反映されます。
もし異なるバージョンを使いたい場合は、pyenvなどであらかじめそのPythonをインストールしておき、venv作成時に明示的に指定します。
pyenv local 3.8.10
python -m venv venv38
こうすることで、プロジェクトごとに異なるPythonを使い分けることができます。
よくあるトラブルと対処法¶
バージョン切り替えをしていると、いくつかのトラブルに遭遇します。 私も過去に何度も悩まされました。
| トラブル内容 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
pythonコマンドが変わらない |
PATHが古いPythonを参照している | which pythonで確認し、PATHを修正 |
| モジュールが見つからない | 仮想環境にインストールされていない | 仮想環境をアクティブ化してpip install |
| pyenvでバージョンが変わらない | シェルが初期化されていない | exec "$SHELL" で再読み込み |
| conda環境が消えた | PATHがリセットされている | Anacondaの再インストールまたは再登録 |
トラブルの多くは、PATH(環境変数)の設定や仮想環境の切り替え忘れに起因します。
慣れてきたら、「今どのPythonを使っているか?」を常に意識すると良いです。
まとめ:バージョン変更をマスターするとPythonがもっと楽しくなる¶
Pythonのバージョンを自在に切り替えられるようになると、開発の自由度が一気に上がります。 古いプロジェクトにも対応できるし、新しい機能を試すのも怖くなくなります。
最初は「ややこしそう…」と感じるかもしれませんが、実際に手を動かしてみると「あれ?こんな簡単だったのか」と思うはずです。
もう一度ポイントを整理すると、
- pyenvが最も柔軟でおすすめ
- Anacondaはデータ分析向けに便利
- システムのPythonを直接変えるのは慎重に
- 仮想環境での運用を習慣化する
Pythonは進化のスピードが速い言語です。 バージョン管理を味方につければ、あなたの開発環境はもっと快適になります。
この記事が、あなたのPythonの開発が少しでも快適にするきっかけになれば嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!