<一覧に戻る

タプルの定義と作成

タプルは、Pythonにおける基本的なデータ構造の一つで、リストに似た特徴を持ちながらも、いくつかの重要な違いがあります。この教材では、タプルの定義と作成方法について詳しく学びます。

タプルの定義

タプルは、複数の値を一つのデータとしてまとめることができる、不変(immutable)なデータ構造です。これは、一度作成されたタプルの要素を変更することができないことを意味します。

タプルの作成

タプルを作成するには、値をカンマで区切り、丸括弧 () で囲みます。以下に例を示します。

# 空のタプルを作成
empty_tuple = ()

# 1つの要素を持つタプルを作成
single_element_tuple = (42,)

# 複数の要素を持つタプルを作成
multiple_elements_tuple = (1, 2, 3, "Python", 3.14)

print(empty_tuple)               # 出力: ()
print(single_element_tuple)       # 出力: (42,)
print(multiple_elements_tuple)    # 出力: (1, 2, 3, 'Python', 3.14)

サンプルコードの解説

  1. 空のタプル: empty_tuple は、何も要素を持たないタプルです。出力は () となります。

  2. 1つの要素を持つタプル: single_element_tuple は、1つの要素を持つタプルです。この場合、カンマを忘れずに記述することが重要です。出力は (42,) となります。

  3. 複数の要素を持つタプル: multiple_elements_tuple は、整数、文字列、浮動小数点数など、異なるデータ型の要素を持つタプルです。出力は (1, 2, 3, 'Python', 3.14) となります。

タプルのネスト

タプルは他のタプルを含むこともできます。これにより、複雑なデータ構造を作成することが可能です。

# タプルのネスト
nested_tuple = (1, 2, (3, 4), (5, 6, (7, 8)))

print(nested_tuple)               # 出力: (1, 2, (3, 4), (5, 6, (7, 8)))

ネストの解説

nested_tuple は、整数とタプルを組み合わせたデータ構造です。このように、タプルの中にタプルを含めることで、階層的なデータを表現できます。

タプルの要素へのアクセス

タプルの要素には、インデックスを使ってアクセスします。インデックスは0から始まります。

# タプルの要素へのアクセス
example_tuple = (10, 20, 30, 40, 50)

first_element = example_tuple[0]   # 10
third_element = example_tuple[2]    # 30
last_element = example_tuple[-1]     # 50

print(first_element)   # 出力: 10
print(third_element)   # 出力: 30
print(last_element)    # 出力: 50

要素アクセスの解説

  • example_tuple[0] は最初の要素にアクセスし、出力は 10 となります。
  • example_tuple[2] は3番目の要素にアクセスし、出力は 30 となります。
  • example_tuple[-1] は最後の要素にアクセスし、出力は 50 となります。負のインデックスを使うことで、タプルの末尾から要素を取得することができます。

まとめ

タプルは、データをまとめるための便利な方法であり、一度作成したら変更できない特性を持っています。タプルを使うことで、固定されたデータを安全に管理することができます。次のセクションでは、タプルとリストの違いについて学びます。

出力結果: