Pythonにおける辞書(dictionary)は、キーと値のペアを格納する可変長のデータ構造です。リストやタプルとは異なり、辞書は順序を持たず、キーを使用して値を参照します。辞書は、データを関連付けて保存したり、効率的に検索したりするのに非常に便利です。
辞書は波括弧 {}
を使用して定義します。キーと値のペアはコロン :
で区切り、複数のペアはカンマ ,
で区切ります。
# 空の辞書を作成
my_dict = {}
# 初期値を持つ辞書を作成
person = {
"name": "Alice",
"age": 30,
"city": "Tokyo"
}
my_dict
は空の辞書です。後でキーと値を追加できます。person
辞書には、名前、年齢、都市の情報が格納されています。キーは "name"
、"age"
、"city"
で、それぞれの値は "Alice"
、30
、"Tokyo"
です。新しいキーと値を辞書に追加するには、キーを指定して値を割り当てます。
# 辞書に新しいキーと値を追加
my_dict["color"] = "blue"
person["email"] = "alice@example.com"
print(my_dict)
print(person)
my_dict
に "color"
というキーを追加し、その値を "blue"
に設定しました。person
辞書に "email"
という新しいキーとその値 "alice@example.com"
を追加しました。辞書から特定のキーとその値を削除するには、del
文を使用します。
# 指定したキーを削除
del person["age"]
print(person)
del person["age"]
により、"age"
キーとその値が person
辞書から削除されました。既存のキーの値を更新するには、キーを指定して新しい値を割り当てます。
# 既存のキーの値を更新
person["city"] = "Kyoto"
print(person)
person["city"] = "Kyoto"
によって、"city"
キーの値が "Tokyo"
から "Kyoto"
に変更されました。get
メソッドget
メソッドを使うと、指定したキーの値を取得できます。キーが存在しない場合は、None
または指定したデフォルト値を返します。
# getメソッドを使用して値を取得
email = person.get("email")
age = person.get("age", "Not found") # デフォルト値を指定
print("Email:", email)
print("Age:", age)
person.get("email")
により、"email"
キーの値 "alice@example.com"
が取得されます。person.get("age", "Not found")
は、"age"
キーが存在しないため、デフォルト値 "Not found"
を返します。keys
、values
メソッドこれらのメソッドを使用すると、辞書のキーや値のリストを取得できます。
# 辞書のキーと値を取得
keys = person.keys()
values = person.values()
print("Keys:", list(keys))
print("Values:", list(values))
person.keys()
は辞書のすべてのキーを取得し、person.values()
はすべての値を取得します。list()
を使って、それらをリスト形式に変換して表示しています。辞書は、キーと値のペアを効率的に管理するための強力なデータ構造です。基本的な操作として、要素の追加、削除、更新、検索方法を学びました。これらの操作を活用することで、データを効果的に扱えるようになるでしょう。