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コメントの書き方

Pythonでは、コードの可読性を向上させるためにコメントを書くことが重要です。コメントは、プログラムの動作を説明したり、特定のコードの目的を明示するために使用されます。この教材では、Pythonにおけるコメントの書き方について学びます。

コメントの種類

Pythonには主に2種類のコメントがあります。

1. 行コメント

行コメントは、#を使って記述します。この記号以降の内容は、Pythonインタプリタによって無視されます。行コメントは通常、コードの行の後ろに置かれることが多いです。

# これは行コメントです
print("Hello, World!")  # ここで挨拶を表示

上記のコードでは、#の後に続くテキストはコメントとして扱われ、プログラムの実行には影響しません。

2. 複数行コメント(ドキュメンテーション文字列)

複数行のコメントは、三重のクオーテーションマーク(''' または """)を使用して記述します。この形式は、ドキュメンテーション文字列(docstring)としても知られ、特に関数やクラスの説明に使われます。

def greet(name):
    """
    この関数は、指定された名前を使って挨拶を返します。

    :param name: 挨拶する相手の名前
    :return: 挨拶の文字列
    """
    return f"Hello, {name}!"

上記のgreet関数のドキュメンテーション文字列は、関数の役割や引数、返り値についての説明を提供しています。これにより、他の開発者がコードを理解しやすくなります。

コメントのベストプラクティス

コメントを書く際には次のポイントに注意しましょう。

  • 明確で簡潔に: コメントは、コードの意図や目的を明確にするために書かれます。冗長なコメントは避け、簡潔に説明しましょう。
  • 最新の状態を保つ: コードを変更した場合は、コメントも更新してください。古いコメントは誤解を招く可能性があります。
  • 重要な部分に焦点を当てる: すべての行にコメントを書く必要はありません。特に複雑な部分や、他の人が理解しにくい部分に焦点を当ててコメントを追加しましょう。

サンプルコードの実践

次に、コメントを使った簡単なプログラムを作成してみましょう。

def calculate_area(radius):
    """
    円の面積を計算する関数
    :param radius: 円の半径
    :return: 円の面積
    """
    pi = 3.14  # 円周率
    area = pi * (radius ** 2)  # 面積の計算
    return area

# 半径5の円の面積を計算
result = calculate_area(5)
print(f"半径5の円の面積は: {result}")

コードの解説

  1. 関数定義: calculate_areaという関数を定義し、円の半径を引数として受け取ります。
  2. ドキュメンテーション文字列: 関数の上にドキュメンテーション文字列を使って、関数の目的、引数、返り値について説明しています。
  3. 行コメント: piや面積の計算部分に行コメントを追加して、何を計算しているのかを明示しています。
  4. 関数の呼び出し: 半径5の円の面積を計算し、その結果を出力しています。

このようにコメントを適切に使用することで、コードの可読性が向上し、他の人や自分自身が後で見たときに理解しやすくなります。コメントは、プログラミングにおいて非常に重要な要素ですので、積極的に活用しましょう。

出力結果: